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・『絶対貧困-世界最貧民の目線』 石井光太 2009

日1ドルで暮らす人がいます。節約家ですか?もちろんそうではありません。1日1ドルで生きなければならない人がいます。悲惨ですか?そうとも言えません。

1ドルで暮らす・生活する・生きている・生きなければならない、言葉を替えると随分印象が違います。本書を読むと、どの言葉を使っていいのか迷ってしまいます。ところかまわずいちゃつく若者・バイブを売る路面店・ジャガイモの皮を剥く女たち・アピール系の物乞い障害者・春を鬻ぐ(ひさぐ)オカマ・棒に男根を巻いて伸ばすアホ・古タイヤで火葬される亡者・ウンコの上に住む家族・前戯のないチャチャットセックス・洪水のあとの宝探し・たった一人生き残った娘を魔女と叫ぶ母親。

あなたの収入を聞けば暮らしの様子は想像がつきます(日本なら)。でも、1日1ドルの生きざまを、世界の名立たる機関が出す統計の数字を眺めていても、わかるはずがありません。

本書には娘に売春の手伝いをさせる売春婦のはなしが載っています。手伝いをさせるといい子に?育つと話す彼女の、その理由を読んでください。豊かになるための売 春(たぶん日本)と、2~3日を生き延びるための売春を比することができますか。スルタナという年老いた女性のはなしも読んでください、愛も孤独もそこに あります。

軽いタッチで書かれているので、貧困な暮らしにサラッと触れることはできます。本書を絶賛はしません(著者の居場所はここじゃない)、絶賛に値するのは装丁を担当した渡邊民人氏のセンスです(なぜか著者の本はすべて装丁が良い)。けれど、130枚(たぶん)もの写真といくつかの統計図を掲載したことで、前から後ろから理解が深まるイイ本です。統計の数字に表れないリアルがここにあります。

2009年野蛮人(ボクのこと)が選ぶ装丁ランキング1位(4月6日現在)。

追記:著者がブログで「装丁について」コメントされています。装丁決定の経緯を説明しつつ《たしかに「『物乞う仏陀』の真似」と見えることもあるかもしれない。しかし、それは僕がそのように頼んだためである。責任があるとしたら僕にある。》と。たぶん、「渡邊さんだけ絶賛しないでくれよ~」という叫び?よって、上記の渡邊民人氏絶賛エントリーを訂正し「関口聖司氏・石井光太氏・渡邊民人氏みんなエラいぞ大きいぞ!」とさせて頂きます。関係各位にお知らせでした(見てねーかっ)。
・石井光太公式サイト「コウタイズム」
http://www.kotaism.com/
・石井光太ブログ「-旅の物語、物語の旅-」
http://kotaism.livedoor.biz/

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